私は「生活習慣病」の治療目的は病気を改善するのが最終目的ではなく、
あくまで楽しく豊かな人生を皆様にエンジョイしていただくのが最終目標だと考えております。
できるかぎり、その方のライフスタイルを尊重し、なるべくそのかたの楽しみや生きがいを犠牲にすることなく、健康で豊かな日々を送っていただきたい。
生活習慣病の治療を通じて恩村内科医院は皆様の明るく豊かな生活の、そのお手伝いをさせていただきたいと考えております。
患者様お一人お一人、年齢、生活パターン、ご職業、ご趣味、生きがい、ご家庭の事情など、それぞれ異なります。
恩村内科では、患者様一人ひとりに最適な「オーダーメイド」の医療を心がけております。
生活習慣病について、できるだけ一般の方にも気軽にお読みいただけるよう、専門的でわかりにくい内容は省いてご案内いたします。
食生活の問題(栄養のとりすぎやかたより)、運動不足、睡眠不足、ストレス、タバコや酒の飲みすぎなど、現代生活でしばしば起こりがちな体に負担のかかる生活習慣がきっかけとなって発症したり進行したりする病気を「生活習慣病」と呼んでいます。
代表的な病気としては、高血圧、高脂血症、糖尿病、脂肪肝、高尿酸血症などがあります。
これらは健康診断や人間ドック、他の病気で医療機関にかかったときなどに偶然発見されることが多いです。
生活習慣病に共通する点は、通常、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
症状がない期間が長く続いて、その間に動脈硬化がじわじわと進行し、動脈硬化によって重大な病気が発症して初めて自覚症状が出現するという点です。
脳の血管の動脈硬化では、脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血などが、心臓の血管の動脈硬化では、狭心症、心筋梗塞などが起こります。
これらの病気は一度起きてしまうと、後遺症はもちろん、後遺症がなくて回復しても、日常生活上たいへん不便な制約が生じるのが普通です。ですから、自覚症状のない段階で生活習慣病を治療しておくことがとても重要になってきます。
逆に言えば、生活習慣病が発見されたときは、根気よく治療すれば、これらの重大な病気にかかるリスクを大きく減らすことができるチャンスと言えるでしょう。
高血圧治療ガイドライン(日本高血圧学会)では血圧の程度を下の表の様に分類しています。
分類 | 収縮期血圧収縮期血圧 |
---|---|
至適血圧 | chevron_left120とはchevron_left80 |
正常血圧 | chevron_left130かつchevron_left85 |
正常高値血圧 | 130~139または85~89 |
軽症高血圧 | 140~159または90~99 |
中等度高血圧 | 160~179または100~109 |
重症高血圧 | 180以上または110以上 |
収縮期高血圧 | 140以上かつchevron_left90 |
高血圧は遺伝的、体質的な要因が大きいため、上のような生活改善を行ってもすぐに十分に血圧が下がるとは限りません。
また、すぐに上のような生活改善ができる方は少ないのが現状ですので、中等度以上の高血圧の方では生活改善と同時に薬による治療を行うのが現実的です。
そして生活改善の効果もでてきて十分に血圧が下がってきたら、薬の量を減らしたり、より弱い薬に変えていき、人によっては薬をやめても大丈夫になる場合もあります。
高脂血症とは血液中の・・
高脂血症の人の血液はドロドロの状態になって流れが悪く詰まりやすい状態になっています。さらにこの状態がながく続くと血管の内壁に脂質が付着してさらに血液の流れが悪くなります。
これが動脈硬化といわれる状態です。動脈硬化は全身の血管に現れます。
脳の血管の動脈硬化は脳梗塞や脳内出血の原因に、心臓の動脈硬化は狭心症や心筋梗塞の原因になります。ですからなにも症状のないうちに治療を始めることが大切です。
コレステロールが高い場合―肥満のある方では食べる全体の量を減らしてダイエットを心がけましょう。肥満でない方でも鶏卵、脂身の多い肉、レバー、ケーキなどの洋菓子、マヨネーズなどコレステロールを多く含む食品を食べ過ぎないようにしましょう。
中性脂肪が高い場合―ダイエットするとともに、アルコールや糖分の採り過ぎを避けましょう。
いずれの場合も野菜や海藻など植物繊維を多く含む食品をたっぷりと採りましょう。
1日30分以上歩くようにするのが理想的です。
食事療法や運動療法で十分な効果がなかったり、何らかの事情で食事療法や運動療法ができない方は薬による治療が必要になります。
薬の種類や量は高脂血症の程度や他に慢性疾患をもっておられるかどうかで変わってきますので、定期的に血液検査等を受けていただき、調節していくことになります。
定期的な血糖値の検査と、食事療法、運動療法、薬物療法を取り入れながら血糖値のコントロールを行ないます。
糖尿病の症状は、大きく2つに分けられます。一つは、血糖値が高いことからくる症状です。つまり、糖尿病そのものの症状です。
もう一つは、血糖値が高いまま放置されたことによって、さまざまな臓器の働きが低下してしまうことにより生じるもので、いわゆる「合併症」といわれるものです。
「糖」つまりグルコースは、血液中である濃度以上の状態が続くと、体を作るタンパク質のN末端と化学結合して、別の分子に変化させてしまいます。
つまりタンパク質で構成されている、血管や、水晶体(眼球)などの物質を別の物質に変え、本来の機能を果たせなくしてしまう恐れがあるということです。